混浴露天風呂で男に囲まれ、太陽のもとで濡れた性器まで……


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内容紹介

露出目的で訪れた日中の混浴露天風呂で、
何人もの男のまえで全裸になって性器まで見せつける快感!

瑠衣は日中の野外で裸になること、そしてその姿を他人に見てもらうことを目的に、ひとり混浴の露天風呂を訪れる。

見知らぬ男たちのまえでゆっくりと服を脱ぎ、一糸まとわぬ裸身をさらして快感に打ち震える瑠衣。

むきだしの胸や性器にいくつもの視線をはっきりと感じながら、せっかくここまできたのならと瑠衣は男たちにお尻を向けて……。

混浴露天風呂で見せつけて 〜瑠衣の場合〜

■体験告白者:瑠衣(26歳・医療事務)

 道から舗装が消えたときはよっぽど引き返そうかとも思ったけれど、土の道を二〇分ばかり走らせて駐車場にたどり着いたところで、瑠衣はあきらめずに進んできた自分を褒めてやりたい気持ちになった。

(すごい……こんなに車があるってことは、温泉にもいっぱい人がいるってこと、だよね?)

 ごくりと喉を鳴らし、ジーンズの上から下腹部を押さえる。これからその、まだ見ぬ大勢の他人の前で裸身をさらすのだと考えると、早くも腰の奥が疼き出すようだった。

 なにがあるかわからないので、いざとなったらすぐに出せそうな位置に駐車して、スマートフォンとハンドタオルだけを手に車を降りる。

 まだ五月だというのに、降り注ぐ陽射しは夏のようにまぶしく、あたたかだった。それなりに標高のある場所なので寒さにそなえて少し厚着をしてきたが、そんな必要もなかったらしい。

(まあ……厚着の目的はもうひとつあるからいいんだけどね)

 瑠衣るいは手のひらで目の上にひさしをつくり、駐車場の周囲を見回した。

「あれかな?」

 遠くに案内板のようなものを見つけて近づいてみると、案の定、そこには目指す混浴露天風呂への道筋が示されていた。

 案内板の脇から青々とした繁みに分け入り、ゆるく下っている土の道を踏みしめていく。

「わぁっ……」

 一〇メートルもいかないうちに視界が開け、瑠衣は思わず嘆息した。

 向こう岸から迫り出した木々をバックに澄んだ小川が静かに流れ、その手前には幅の狭い川岸が左右に長く伸びている。

 都会では見られない自然の美しさに心が洗われるようだったが、そのくらいではとうてい流しきれないほど強固に、瑠衣の心には汚れた欲望がこびりついていた。

 実際、瑠衣が目を奪われていたのは清流ではなく、川岸の奥にちらついている裸の男たちの姿だった。

(ほんとにあった……こんな、なんにもない川のそばに、ぽつんとお風呂だけ……)

 はやる気持ちを抑えつつ、瑠衣はそちらへ向かって歩み出す。

 すぐそばまで来てみると、なかなかに刺激的な光景だった。

(やば、男の人しかいない……それにみんな、当たり前だけど裸だし……やだ、あの人なんて全部丸見え……)

 組み上げた岩でつくられた湯船のふちに、股間を隠さず堂々と腰かけている年配の男性を、ついまじまじと見つめてしまう。

(それもそっか、男の人しかいないんだもんね。そんな中でわたしも――)

 そう、これから瑠衣もこの男性と同じように、いっさい身体を隠さずに入浴しようというのだ。

(だってここ、タオルも水着も禁止ってネットで見たし、だったら全部見えちゃってもしょうがないよね)

 だからこそ瑠衣はこの温泉を選んだのだった。少しでも自然なかたちで裸をさらせるように。

「こんにちは」

 あえて自分の存在を印象づけるように、瑠衣は先客たちに明るい声を投げた。

「ああ、こんにちは」

「お、若い子は珍しいね」

「今日のお湯はなかなかだよ」

 赤い顔をした男たちが、次々にあいさつを返してくれる。どうやら地元の常連ばかりらしい。

「えっと、すみません。脱衣所は……」

「初めて? そこだよ、そこ」

 男が指さしたのは、湯船の脇に設えられた簡素な板の棚だった。まわりを覆うものはなにもなく、三方からの視線を防ぎようもない、脱衣所とは名ばかりのものだ。

「ありがとうございます」

 たずねなくとも、瑠衣は脱衣所についてリサーチ済みだった。脱ぎ着が丸見えになってしまうというのも、ここを選んだ理由のひとつだ。

 そして、厚着をしてきたもうひとつの目的も、この脱衣所にあった。

「ん……」

 存在と行動を事前にしっかりアピールして、温泉につかる十人近い男たちの視線を自分に集めておいてから、瑠衣は衣服を脱ぎはじめる。

 まずは羽織っていた薄手のコートを、それからブラウスを脱ぎかけて、ふと思いつき、先にジーンズを脱いだ。それだけでもう、下半身はパンツ一枚になってしまう。

(あぁっ、すごい解放感……でもこれじゃあみんなの反応が見えないな……ちょっと不自然だけど思いきって――)

 瑠衣はくるりと身体を反転させて、湯船のほうを向いた。期待どおり、ほとんど全員の目が瑠衣に注がれている。

(めちゃくちゃ注目されてる……こんな中で一枚一枚脱ぐなんて……)

 かすかに指を震わせながら、瑠衣はブラウスのボタンをひとつずつ、ゆっくりとはずしていく。こうして野外ストリップをするために、今日は厚着をしてきたのだった。

 ブラウスの袖から腕を抜き、その下に着ていたキャミソールを焦らすように脱いだあとは、いよいよ下着の番だ。

 男たちの視線を浴びながら、瑠衣は背中に手を回し、ブラジャーのホックをはずした。

(見られちゃう……見せちゃう……知らない人たちに、わたしのおっぱい……)

 ゆるんだ肩紐から左腕を、それから右腕を抜いて――。

(んんっ、見てっ……!)

 瑠衣は万歳をするような格好で、ブラジャーを完全に脱ぎ去った。

 バストが大きく弾み、その存在を必要以上に主張する。中心に色づいた薄茶の乳首に、痛いくらいの視線を感じた。

(気持ちいい……外で脱ぐのも、見られるのも、すっごく気持ちいい……)

 それでもまだ全裸ではない。大事な部分を覆い隠す邪魔な布が残ったままだ。

(脱いじゃう? 前向いたまま、パンツも脱いじゃう?)

 自問の意味もなく、瑠衣は迷わずパンツのゴムに指をかけた。するりと膝まで一気に下ろすと、秘部と布のあいだに細く糸が伸びるのがわかった。

(うわ、もうこんな濡れてたんだ……さすがにいまのは見えなかったよね……?)

 かあっと身体が火照るのをごまかすように、薄布から素早く両足を抜いてしまう。

(はぁぁ……)

 全裸姿を男たちにさらして、瑠衣はふるふるっ、と身震いした。それから今度は湯船に背を向け、脱いだ衣服をきれいにたたみはじめる。まどろっこしいくらい丁寧に、じっくりと時間をかけて。

(お尻もいっぱい見てくれてるかな……)

 あらわな背中を見知らぬ男たちと午後の太陽とにたっぷりさらしてから、ようやく瑠衣は湯船へ向かう。「タオルをお湯につけないでください」と棚にも注意書きがあったので、なにも持たず、身体を手で隠したりもせずに、堂々と裸身をさらしたままで。

「あ、かけ湯……」

 そのままつかろうとして、気づいた。

(わたし、どんだけそわそわしてるんだろ……あ、でもこれ――)

 瑠衣は湯船のかたわらに腰を落とし、地面に片膝をつく。そのまま脚を閉じていれば性器は見えないが、瑠衣は見せるためにここへ来ているのだ。木桶でお湯をすくいながら、立てているほうの膝をさりげなく、めいっぱいに広げて、今朝きれいに処理してきた無毛の股間を湯船に向かって見せつけた。

(これ、あそこまで開いちゃってないかな……角度的に中までは見えないだろうけど……)

 何度もかけ湯をしてたっぷり性器を露出してから、いよいよ瑠衣は湯船に足をつけた。

「わ、結構熱いんですね」

 両足をお湯に入れ、そんなことを言ってその場で立ったままたっぷり裸身をさらす。

「最初はそうかもねえ」

「すぐ慣れるよ」

 男たちの声に、

「そうですか? じゃあゆっくり……」

 じりじりと腰を落とし、少しずつ、お湯に身を沈めていく。

 ここまでくるともう、最初のうちは多少遠慮がちに瑠衣を見ていた男たちも、堂々と、目を凝らして見つめるようになっていた。瑠衣のことを、裸を見られても平気な女性だと判断したのだろう。もちろん、願ったり叶ったりだった。

(見られてる見られてる……おっぱいもあそこも、みんなにじろじろ見られてる……)

 いくつもの視線にぞくぞくしながら、瑠衣は肩までをお湯にひたしていった。それでもまだ、男たち
の目は瑠衣に向けられたままだ。

(ネットの情報どおり……この温泉、透明だからこうしてても胸くらいは見えちゃうんだ……)

 お湯の下を透かし見ようとするような目つきを感じつつも、

(ん……ここ、けっこういいお湯かも……)

 瑠衣はいっとき本来の目的を忘れ、心地よい熱の中でリラックスした時間を過ごした。泉質などチェックもしていなかったけれど、うれしい誤算だった。

「へえ、東京から車でねえ」

「はい、山道って慣れないからちょっと怖かったんですけどね」

 入浴客と言葉を交わしていると、しだいに身体が軽くなっていくのを感じる。自覚はなかったものの、思いのほか緊張していたらしい。おかげで少し冷静になれた。

(そろそろ……しちゃおうかな)

 瑠衣は腰を上げ、湯船の縁に腰かける。

「ふう……あっつくなっちゃった」

 右足をお湯から抜いて膝を立て、そこへ顎を乗せると、ぱたぱたと手のひらで顔をあおいだ。

(これ、ちょうどあそこがみんなの目線の高さに来て――わ、じーっと見てる……)

 じぃん、と秘部が疼いて、いったんは落ち着いていた鼓動がまたせわしなくなってくる。

「混浴、慣れてるみたいだね」

 地元民らしい男性に、瑠衣は笑顔でうなずいた。

「けっこうあちこち行ってるんです。最初は恥ずかしかったけど、もうぜんぜん」

 うそだった。混浴なんて今日が初体験だ。最初は恥ずかしかった、というのだって、瑠衣の場合は当てはまらない。

(でも、ほんとにあちこち行ってみるのもいいな……外で、しかもこんな明るいうちから裸になって、すぐそばで知らない人たちにあそこまで見てもらえるんだもん。こんなの最高すぎ……)

 会話を交わしながら、瑠衣は左足も湯船から出して、完全にお湯から上がった状態になる。

(ここまできたらやれるだけやっちゃえっ……)

 そして左足も右足と同じように立て、そのまま両足をM字に大きく開いてしまった。すかさず全員の視線が無毛の肉唇に集まるのを感じて、瑠衣は細かく身震いする。いくつもの目が向けられる中、薄く口を開いた割れ目の内側で粘膜がひくついているのが見なくてもわかった。

(あそこひくひくしてるとこまで、ぜんぶ見られちゃってる……彼氏にだって暗いとこでしか見せたことないのに……)

 太陽に照らされて、きっと形状や色合いまで、すべてがつまびらかにされていることだろう。

(気持ちいい……気持ちよすぎる……なんかこのままイケちゃいそう……)

 快楽に顔がゆるみそうになるのを自覚して、瑠衣は表情を引き締めた。

(だめだめ、露出目的だって気づかれちゃう)

 瑠衣はいま、女ひとりで裸の男たちに囲まれているのだ。もし妙な気を起こされたら、どんなことになってしまうかわからない。

 ふたたび温泉につかり、しばらく世間話に興じることにした。

 でも、そのうちにだんだん身体が疼いてきて、すぐにがまんできなくなってくる。といって、また大股開きで見せつけるのも不自然だろう。

(そうだ、それなら――)

 湯船の中で立ち上がり、瑠衣は川のほうへ向かって身を乗り出した。首を伸ばし、流れのむこうから迫る木々に目を凝らすようなしぐさをする。

「どうかした?」

「いま、珍しい鳥が見えた気がして……どこ行っちゃったかな?」

 きょろきょろしながら、湯船の縁に乳房を押しつけ、うしろへ大きくお尻を突き出す。

「あ、あそこかな? よく見えない……」

 などともっともらしいことを言って、瑠衣はいっそう身体を伸ばした。さりげなく片膝を縁に乗せ、いもしない鳥を探すふりで左右を見回し、足をめいっぱい開いてしまう。

(これやばっ……ぜったいあそこもお尻の穴も丸見えになってる……きっとさっきよりおま×こはっきり見えちゃってる……)

「どれどれ」

「よく見えないね」

 水音とともに、すぐうしろまでいくつもの声が近づいてくる。太ももの裏に熱いものが吹きかかるのを感じて、瑠衣は頭が真っ白になった。

(うそっ! そんな近くで……だめっ、目の前でなんてすごすぎるっ……!)

 ひくつく粘膜から、つうっと愛液が伸びていく感覚。

(あぅぅ……よだれ垂らしてるとこまで見られちゃってる……さわりたいっ、このまま見られながらさわってイキたいっ――)

 興奮が最高潮に達し、絶頂への欲求が急激に押し寄せてくる。

(でもだめっ、見せるだけっ、見られるだけでがまんしないと……!)

 乱れた息をつなぎながら、瑠衣は昂りに潤んだ目でちらりと背後を見やった。

 そして、固まった。

(えっ――)

 さきほどまで話していた地元の人らしい男性たちは、いつの間にか湯から上がって脱衣所で身体を拭いていた。代わりにずっと隅のほうから瑠衣を見ていた数名の男が、いまはお尻のすぐ近くまで集まってきている。彼らは一様に血走った目で、必死なようすで瑠衣の股間を覗き込むようにしていた。

(やだっ、この人たち――ワニってやつ?)

 ネットで知った話だと、長時間にわたって混浴温泉に居座り、女性客が来るとじろじろ見たり追い回したりする男たちがいるらしい。お湯につかって待つ姿がワニを思わせるため、そう呼ばれているのだというが――。

(いやっ、こわいっ……!)

 ワニに遭遇しても、見てもらえるのならちょうどいい――そんなふうに、瑠衣は思っていた。でも、こうして欲望をむき出しにして近づかれると、さすがに恐怖のほうが大きかった。

「あ、いけないっ」

 勢いよく縁を乗り越えて、瑠衣は急いでお湯から上がる。小走りに脱衣所へ向かい、スマホを素早く操作して耳にあてた。

「もしもしっ? ごめーん、時間見てなくって! いま上がったから、五分くらいで合流できるよっ。うん、うんっ、じゃああとでねっ!」

 電話をかけるふりをしてから、急いで衣類を着込みにかかる。わざとらしかったかもしれないけれど、念のためだった。ひとりで来ているとわかったら、下手をしたら追いかけてこられてしまうかもしれない――そう危惧したのだ。夜道を歩いているときやしつこいナンパに遭遇したときにも使う手だった。

「じゃあ、お先に失礼しますねっ」

 のんびりと着替えている地元の平和な男性たちに声をかけ、足早に駐車場へ向かう。

「はぁっ……はぁっ……」

 車に乗り込んで鍵をかけ、荒い呼吸を繰り返す。

 窓から目をこらすと、どうやら誰も追いかけてきてはいないようだった。

「心配しすぎか……」

 とはいえ、あのまま留まりつづけていて、そのうち地元の人たちがみんな帰ってしまったら、いったいどうなっていたか――。

(あのままお風呂でさわられたり、犯されたりしてたかも……)

 想像して、じくんと秘芯が疼いた。

 安全を確保したとたん、ふたたび瑠衣の身体を淫欲が侵しはじめる。

(こわかったけど、すごかった……あんな近くからおま×こ見られて……それも何人もの知らない人に、奥までばっちり……)

 瑠衣はもう一度、周囲に人がいないことを確認すると、コートを助手席に放り出し、ブラウスのボタンを上のいくつかだけはずして、一気に首から引き抜いた。キャミソールを脱ぎ捨て、手荒くブラジャーを取り去って、パンツごとジーンズを引き下ろす。

(誰もいないうちに……)

 あたりに注意を払いながらドアを開け放ち、瑠衣は外へ向かって裸の下半身を投げ出した。

「もう無理っ……!」

 白い裸身に陽射しを受けながら、そのまま瑠衣は自慰をはじめた。

「ぁあっ、すごっ……」

 かつてないほどに熱をたたえた蜜壺は、まるでみずから引き入れるかのように瑠衣の指をぬるりと奥まで飲み込んでしまう。

「んぅっ、すぐイキそっ――」

 どろどろの肉穴を夢中でかき回すうち、ずるずると身体がシートから落ちていって、ついには完全に車から出てしまった。

(あは……温泉でもないところで裸になっちゃってる……こんなの完全にアウトだよ……)

 そんな自覚も、もはや快楽を増幅させるだけだった。

「あぁぁぁ……いっ、イクっ――」

 野外で全裸のまま絶頂を迎えようとした、まさにそのとき――。

「やっ……」

 近くの車の陰から、男が突然ゆらりと姿をあらわした。いや、露出オナニーにふけるあまり、誰かが近づいてくるのに瑠衣が気づかなかっただけかもしれない。

「あっ、あっ……」

 あわてて身体を起こして運転席へ飛び込み、ドアを閉める。

「あのっ、ご、ごめんなさいっ」

 窓のすぐむこうまでやってきた男に、瑠衣はわけもわからず謝っていた。

「…………」

 男は外にたたずんだまま、声をかけるでもなく、車のドアを開けようとするでもなく、ただじっと瑠衣を見つめている。

(な、なに……?)

 胸を手でかばいながら顔を起こし、おそるおそる男へ視線を向けてみて、気づいた。

「あ……」

 男の手が、一定の間隔でせわしなく上下に動いている。首を伸ばして見てみれば、ズボンのチャックから露出させたペニスを、激しく擦り立てていた。

(わたしを見ながら……オナニーしてる……)

 よく見てみると、男はさっき温泉にいた中のひとりだった。

(この人だけ、そういえば最後まで遠くから見てたんだっけ……)

 必死にこちらを見つめながら自慰に興じるようすに、瑠衣はぞくぞくと込み上げてくるものを感じた。

(ここなら安全だし……わたしももう限界……っ)

 瑠衣は身体の正面を窓へ向け、右足を運転席の肩にかけて、大きく股間を突き出した。

「いいよ、見てっ……わたしのおま×こいっぱい見てっ……」

 指先を左右からあてがい、ぐっと肉びらをくつろげる。瑠衣の声が聞こえたわけではないだろうけれど、男は目を見開いて窓に顔を押しつけ、手の動きを加速させた。

「すごいっ、見られてるっ、おま×こ中まで見られてるっ……!」

 瑠衣も辛抱たまらず、ふたたび指を膣奥まで突き入れた。じゅぶっ、と愛液があふれ、勢いよく抜き差しするうちに白く泡立っていく。

「あぁっ、だめっ、これすごいっ、気持ちいいっ、イクっ、イクっ、見られながらイッちゃうぅっ――!」

 背が反り返り、小さくお尻が浮き上がる。

「あぁあぁあぁっ!」

 何度も腰を跳ね上げ、瑠衣はガラス越しの男に激しい絶頂を見せつけた。

「あぁっ……あっ……あぁぁ……」

 お尻をシートに落とし、ぬるりと膣から指を引き抜く。

「はぁ……はぁっ……やば……すごかった……」

 恍惚に潤んだ瞳で見上げると、男はまだ自慰の最中らしかった。

「ふふっ……いいよ、出すまで見せてあげる……」

 瑠衣は窓に向けて陰唇を割り広げ、充血して絶頂の余韻にひくつく濡れ粘膜をさらけ出す。

「ん……だめ……またこれ、気持ちよくなって……」

 男の熱視線を受けて、いま達したばかりだというのに早くも強烈な欲望が腰の奥からわき上がってきてしまう。

「あぁっ、見てぇぇぇ……」

 大きく性器を開いたまま、瑠衣は指先でクリトリスを揉み転がす。

「やっ、だめっ、またイクっ、すぐイクっ……」

 人差し指と中指の先を肉突起に押しつけたまま、小さく素早く円を描くようにして刺激していると、すぐに次の波がやってきた。

 腰をせり出し、男の目線まで瑠衣の性器が達したとき――。

「うぅっ!」

 くぐもった声とともに、窓ガラスに白いものが張りついた。

 びたっ、びたっ、と重たい音をたてて、粘度の高そうな精液が窓を何度も打ち叩く。

「あんなにいっぱい……あぁっ、わたしもっ、んぅっ、またイクぅっ――!」

 派手に腰を跳ね上げて、瑠衣は二度目の絶頂にがくがくと全身を震わせた。

「あぅ……だめ……もう、もう行かないと……」

 力の入らない身体をどうにか動かして裸にコートだけを羽織ると、瑠衣はあわてて車を出した。

 男はその場に佇んだままで、どうやら追ってくるつもりはないらしい。

(出して満足したのかな……?)

 ちらりとバックミラー越しに目を向けると、謝っているのか、それともお礼のつもりなのか、こちらに両手を合わせて頭を下げていた。

「なにそれ」

 妙に礼儀正しいのがなんだかおかしくて、思わず吹き出してしまう。

 気の抜けた瑠衣は落ち着きを取り戻し、細い山道を慎重に走らせていった。

     *

 混浴温泉での出来事以来、他人に自慰を見られる快感を知ってしまった瑠衣は、性欲が抑えきれなくなるとハプニングバーへ足を運ぶようになっていた。

 あのときは人生でいちばん気持ちいい絶頂を味わえたけれど、さすがにもう同じようなことをする勇気はなく、安全に楽しめる場所を求めてのことだった。

 ハプニングバーでは何人もの男たちの前で全裸になり、性器を広げて見せつけながら激しいオナニーに興じている。

 もちろんそれも最高に気持ちいい。でも、やっぱり野外で裸身をさらしたり、陽射しのもとで秘部を観察されたり、自慰を見せつけたりする快感には、とうていかなうようなものではなかった。

(ここの人たちじゃなくて、一般の人たちに……温泉でおま×こいっぱい見せつけて、そのまま思いっきりオナニーできたら……そうしたらぜったい、おかしくなっちゃうくらい気持ちよくイケるんだろうな……)

 淫らな妄想を描きながら、今夜も瑠衣はハプニングバーの客たちの前で絶頂へとのぼりつめていくのだった。

(執筆・謡森鈴音)


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